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"同潤会アパートメント1"


同潤会アパートメント1
表参道の同潤会アパートが建て替えられると報道された。代官山に続き表参道の同潤会もなくなる。この12月までに退去がしなくてはならないらしい。もうひとつ、茗荷谷駅前にある、
同潤会大塚女子アパートメントも同じ運命にある。こちらは建て替えではなく取り壊しの可能性が高い。そこに住んでいた人は、すでに退去して今は空になっている。12月一杯までは調査のために今のままの状態だがそれ以降はどうなるか分からない。
12月までの期間で調査を依頼された建築学会が、保存のために何か良いアイディアはないかと相談がもちかけられ、それならということで原万希子さん、小倉正史さんたちと、二日間だけのアートイベントを企画した。アパートの部屋に作品が展示される。観客は、徘徊しながら作品と建物を体験して、これからの再生を考えてもらおうという企みだ。
この企画にはいくつかのポイントがある。一つはアートが都市の再生に寄与できないかということだ。ミュンスターでもカッセルでもアートは都市再生のために大きな役割を果たしてきた。日本でもそれができないだろうかという試みだ。
もう一つは、建物の再生、再利用を最低限の改造で行いたいということだ。小学校や倉庫を改造してアートに使う試みはなされているが、もとの雰囲気を壊すほどの改造が行われる。建物に刻まれた歴史を最大限に生かして再生を試みたい。
そして最後のポイントは、アートの専門家だけではなく、多くの人によってこの運動を成立させたいということだ。もともと予算のない有志による実行委員会が母体なので、ボランティアを含めた心ある人たちの集合体で再生プログラムを実行していきたいということだ。

とりあえず手弁当でスタ−トした。数多くの賛同者、協力者を求めている。佐賀町エキジビットスペースがあった食料ビルディングも取り壊しが決まり、最期のアートイベントが行われる。同潤会と同じ築75年の建物だ。アートがいつも終わりを飾るのは残念だ。再生のためのアートもあってよい。