解散日記54
5月18日
2−が出版されてもうすぐ1ヶ月がたとうとしている。ペヨトル工房はHPでのブックショップでのお手伝いをしている。ネットでも100冊近い注文があった。ペヨトル工房はネットでのお手伝いをしているだけだが、発売、発行のパラボリカは取次口座も持たずに販売しているので、大奮闘だ。
直売だけで5000部とはミルキィさんも恐ろしいことをする……。直売台帳を見ていたら、いろいろなことに気がついた。超巨大企業一つと小さな工房的なところしか残らない世の中の傾向と同じで、ブックファーストと三月書房が強い。ブックファーストのような大規模販売店は余り好きではないのだが、売るという技術や知識をしっかりともっているし、営業するとぱっと反応してくる。
かつて夜想を一週に100冊も売っていたような日本で最も大きな書店や、神田の方にある大きな書店が、ペヨトル工房を知っていて、2−が夜想の後継誌だと分かっていても、他が売れたら仕入れますがという反応をするのと大違いだ。その話しを聞いたら書店はもう駄目だなと思った。それらの書店は、ミルキィさんが雑誌とともに朝日新聞に載った翌日に注文をくれた。
青山や渋谷を中心にしているペヨトル工房の根城だった書店も、2−「シュヴァンクマイエル」特集を映画のところにちょろっと置くだけで売りそこなっている。店頭のフロントに新刊雑誌として100冊づみしたら絶対売れるのに。それは売れる本を作ったという出版社の思い込みなどではない。ブックファーストやパルコブックセンターでは上手に売っている。
これからは売ってくれる巨大書店と顧客をきちんと持っている小さな書店が、クラスマガジンを売ってくれるのだろうなと思う。売る意志のないところでは本はもう売れない。逆に言えば売る意志のあるところではまだまだ本は売れるのである。
2−、頑張れば5000部売れるかもしれない。印刷のシステムを変えたので増刷はしない。できない。だから2ーは早い者勝ちだし、売れたらうちでも売ろうなどと思っている書店には流通できない。こっちにも選択権はあるのだ。それにしても売れる書店の地勢分布は変わった。心してかからないと。
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