解散日記55

 6月19日

 『ペヨトル興亡史』の原稿をどうにかフィニッシュした。原稿を書くという力が不足していて、内浦さんはじめとして、多くの人に迷惑をかけた。文章を書くのはむずかしい。7月に発売になるらしい。

 解散日記がアップされていない間に、父親が癌で死去した。終わるというのは、突如、一斉に来るものなのだ。

 経理士さんと解散後の決算を検討していて、ちょっと怒られた。解散して赤字を出してはしょうがないでしょう。駄目ですよ、と。在庫は売れたが、経費がかなり上回っている。まずかったな。

 ペヨトル工房もほんとうの消滅が近い。ペヨトル工房史が出るので、その反響をまって最後の整理をしよう。

 業界の心ある人たちは、明治以来の出版危機に憂いをもって対応してきたが、ここに来て諦めている感じだ。それもしかたがないだろう。先日、本の危機に関するテレビ番組にちょこっと顔を出したが、再販制度の否定とか、もっと根本にかかわるところをとりあげて欲しかった。ボクもずいぶん発言しているのだが。

 やっぱり書店力を回復するには、責任ある買い取りしかないだろう。それにともなって本の力を見抜く目が回復されるだろうから。パラボリカは、夜想2−をほぼ5000配本し終わった。手元にはないので、あとは書店で買って下さいとのこと。5000という数を取次なしで配本したのはすごいことだ。というか取次がなくてもやれるということに気がつかなかったのだ。



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